AG上昇代謝性アシドーシスの原因

大きく分けて4つある。
 
・乳酸アシドーシス・・・2つのタイプ(以下参照)
ケトアシドーシス(糖尿病性、アルコール性、飢餓)
・腎不全(急性、慢性)
 
 
乳酸アシドーシス TYPE A ➡︎ 低灌流による酸素供給不足
 ・ショック
 ・心肺停止蘇生後
 ・組織循環不全(臓器虚血、熱傷、外傷、壊死性軟部組織感染症
 ・高度低酸素血症、一酸化炭素中毒
 
乳酸アシドーシス TYPE B ➡︎TYPE A以外のもの
 ・中毒(アルコール、コカイン、シアン)
 ・薬剤性(メトホルミン、逆転写酵素阻害薬、サリチル酸、β刺激薬)
 ・筋肉の過剰運動(痙攣、激しい運動、呼吸筋疲労)
 ・ビタミンB1欠乏
 ・悪性腫瘍(血液腫瘍>固形腫瘍)
 ・肝不全

血液ガスの解釈

大きく分けて、5つのステップがある。
③のステップが非常に重要!!
 
①アシデミア or アルカレミア
②呼吸性 or 代謝
③AG計算!!👈超重要
 AGが上昇しているなら…AG上昇性代謝性アシドーシスあり
   ΔAG計算➡︎補正HCO3計算➡︎・AG正常代謝性アシドーシス合併 
                     or 
               ・代謝性アルカローシス合併
④代償の範囲内 or not
⑤原因となる病態の推定
 
 
細かく解説していく。
 
①単純にpHで判断。<7.40ならアシデミア、>7.40ならアルカレミア
 
②アシデミアなら…PaCO2>40➡︎呼吸性アシドーシスが主役。
         HCO3<24➡︎代謝性アシドーシスが主役。
 アルカレミアなら…PaCO2<40➡︎呼吸性アルカローシスが主役。
          HCO3>24➡︎代謝性アルカローシスが主役。
 
③AG計算➡︎ >12ならば、AG上昇性代謝性アシドーシスを合併
 Albが低い時…補正AG=AG+2.5×(4-血中Alb)を用いる。
 
 ΔAG=AG-12、補正HCO3=実測HCO3 + ΔAG
  ・補正HCO3<24➡︎AG正常代謝性アシドーシス合併
  ・補正HCO3>24➡︎代謝性アルカローシス合併
  ・補正HCO3=24➡︎合併なし